最近、街に増えているデジタルサイネージ(電子看板)を自社に導入したいという方が多くいらっしゃいます。
使用する機器を検討する際に、考慮すべき一番のポイントはディスプレイの明るさです。
今回は、各地で使われている明るさの単位について解説します。

デジタルサイネージ(電子看板)とは
デジタル サイネージとは、電子化された看板やポスターを指します。
従来の紙のポスターの看板に代わって、液晶ディスプレイやLEDビジョンなどのデジタル映像機器を用いて情報を発信するシステムです。
デジタル サイネージの導入を検討する際に、ルクスとルーメンがどのように関係するかをご説明いたします。
デジタルサイネージに適した明るさとは
デジタルサイネージは実際にどれくらいの明るさが必要なのか確認してみましょう。
デジタルサイネージの設置場所としては、「屋外」「屋内」「太陽光のある屋内」の3つが考えられます。
それぞれの場所で一般的に必要な輝度は次のとおりです。
シチュエーション | 目安 |
---|---|
屋外 | 1200 cd/㎡以上 |
屋内(店内やオフィス) | 400〜700 cd/㎡ |
日差しの差し込む屋内) | 700〜1200 cd/㎡ |
デジタルサイネージの機器の種類について
デジタル サイネージに必要な機器は、基本的に次の 3 つが挙げられます。
・CMS(コンテンツマネジメントシステム):広告配信の管理システムのことです。デジタルサイネージの映像を放映するスケジュールを作成・管理できるシステムです。
・STB(セットトップボックス):デジタルサイネージの映像を再生するプレーヤーです。
・ディスプレイ:基本的にデジタルサイネージ専用に開発された業務用ディスプレイを使用します。
これらのかかる電気代の費用は、目安として1日15時間使用で600~700円程度となります。(ディスプレイの明るさが300~350カンデラの場合)
設置する場所に合った光度でない場合、直射日光下でスマートフォンなどを見た時のように「画面に真っ暗で画面が見えない」「太陽光が反射して見えづらい」という現象や、「思った以上に電気代がかかる」といった問題が発生し、無駄な出費が出てしまいます。
そのため、ディスプレイを選ぶ際には最大輝度を考慮する必要があると言えます。
LEDディスプレイと液晶ディスプレイの違いは?
「液晶ディスプレイ」と「LEDディスプレイ」の違いは、簡単にいうと輝度の違いです。
・LEDディスプレイの輝度:3000~5000cd/㎡以上
・液晶ディスプレイの輝度 : およそ100~400㏅/㎡、業務用液晶ディスプレイで2500cd/㎡程
それぞれの特徴をご紹介いたします。
LEDビジョンの特徴
寿命が長い
LEDビジョンは寿命が長く、1日に12時間点灯させた場合にも約11年使用することが可能です。
また、部品が壊れてしまった際もLEDビジョンの場合は壊れた部品のみを交換することが可能になります。
圧倒的な明るさ
圧倒的な明るさに、屋外の日差しにも耐えうる視認性の高い映像表現が可能です。
形の自由度が高い
LEDビジョンはパネルで構成されているため、自由なサイズで作ることができます。
また、商品によっては球体、波、球体など、大きさや形を問わず自由に表現することが可能です。
電気代が安くて、省エネ
EDビジョンの最大の特徴は、その低消費電力です。表示時間が長くなる業務でもランニングコストの削減が可能となります。
一般的なTVなどの液晶モニターの輝度が400~1200㏅/㎡となっておりますが、LEDビジョンでは1000~2500㏅/㎡となっており圧倒的に上回る輝度となっております。


液晶モニターの特徴
視認性
見る角度によってコントラストが弱くなり、画面の見え方が変わるため、近距離での視聴に適しています。
設置に向いている場所
遠くからの視聴には向いていませんが、ショッピングセンター内や、駅のディスプレイとしてある程度近い距離からの映像に多く使用されています。
雨に弱く、明るさもLEDビジョンに比べると低いため、屋内に向いています。
モニターサイズ
現在の最大パネルサイズは約120インチです。ディスプレイを組み合わせて大きくすることは可能ですが、継ぎ目があります。
デジタルサイネージの導入をする際は
明るさの単位をチェックしましょう
ルクスやカンデラ、ルーメンといった明るさを表す単位との違いや意味を理解し、デジタルサイネージを導入する際の目安としてください。
ルーメン、カンデラ、ルクスとは簡単にいうと、表しているものがそれぞれ「全ての光の量」「光の強さ」「その位置に届く光にどれだけ光が入っているか」という違いがあります。
ルクス(lux)とは?
ディスプレイの明るさを表す単位の一つとして「ルクス(lux)」というものがあります。
「ルクス」についてご紹介いたします。
ルクス(lux)の定義
ルクスとは、国際単位系(SI)における「照度」の単位のことで、物体の表面を照らす光の明るさを表す物理量を指します。
1ルクスの定義は「1平方メートルの面が1ルーメンの光束で照らされるときの照度」とされています。
ルクスの目安とは
シチュエーション | 目安 |
---|---|
屋外・快晴 | 100,000 lux |
屋外・雲天 | 30,000 lux |
駐車場(屋外の付属施設) | 5~30 lux |
映画館(上映中の観客席) | 2~5 lux |
カンデラ(cd)とは
カンデラ(cd)とは「光度」の単位の名称です。
光度とは、光源の光、もしくは特定の方向へ照射される光の強さのことです。
カンデラとは、ろうそくを意味するラテン語で、1cdは一般的なろうそく1本の明るさとほぼ同じとなっています。
また、LEDの光度は、1カンデラの1000分の1を表す単位である、ミリカンデラ(mcd)で表示されます。一般的なLEDの光度はおよそ50mcdで、高輝度タイプのLEDになると光度15cd以上のものもあるようです。
LEDなど多くの照明器具は照射方向によって明るさが異なりますが、最も光度の強い一点の光度を「最大光度」として表示しています。
ルーメン(lm)とは
ルーメン(lm)とは、「光束」の単位の名称です。
光束とは、ある面を通過する光の明るさを表す物理量のことです。
今まで電球や蛍光灯の明るさを表すには、電力量(ワット/W)が目安として用いられていましたが、LED照明は電球・蛍光灯と比べ、同じ明るさを出すために使う電力量がとても小さくなります。
これまで、白熱灯や蛍光灯の明るさの指標として消費電力(ワット/W)が使われていました。
ですが、LED照明は白熱灯や蛍光灯に比べて、非常に少ない電力量で同じだけの明るさを出すことができるため、電気代を大幅にカットできるようになりました。
LEDの方が少ない電力で明るく照らせるという点で優れているにも関わらず、あたかも電球や蛍光灯の方が明るいように見えるわけです。そこで、ルーメンを使って明るさ自体を表すようになりました。
それぞれの違いをまとめました
ルクス(lux):照らされた部分の明るさを示すもの
カンデラ(cd):光の強さを示すもの
ルーメン(lm):照明器具自体の明るさを示すもの
照明機器の明るさはルーメンを用いて表すことが多いですが、製品によっては条件を定めた上でルクスを用いて表示される場合もあります。